safari! space
space
space
HOME JTEMSTについて 活動報告 サポーター 寄付
 HOME > 活動レポート > 海外活動



オレンジ海外活動

 第15回(2019年)
 第14回(2018年)
 第13回(2017年)
 第12回(2016年)
 第11回(2015年)
 第10回(2014年)
 第9回(2013年)
 第8回(2012年)
 第7回(2011年)
 第6回(2010年)
 第5回(2009年)
 第4回(2009年)
 第3回(2008年)
 第2回(2007年)
 第1回(2007年)

オレンジ国内活動

 Drサニイワ 研修('11)

オレンジその他活動

 医療機器寄贈('08)

 第7回 タンザニア眼科支援活動


●活動日程:2011年9月18日~9月22日
●訪問先: 国立ムヒンビリ大学病院
      (Muhimbili University of Health and Allied Science-MUHAS)
●参加者: 山崎俊(山崎眼科院長)
      竹内護(アシコ・ジャパン)
      竹内建司(テイクオフメディカル)
      横江美貴(在タンザニア日本大使館、看護師)
      岡田哲史(日本アルコン)
      貞廣光佐子(日本アルコン)
●活動内容:

 9月18日(日)

3:00pm

ダルエスサラーム着
在タンザニア日本大使館に発行していただいた書類を見せる必要もなく、今までで最もスムーズに通関ができた。横江さんとアンナ・サニイワ医師(国立ムヒンビリ大学病院眼科代表)が空港へ迎えに来てくださって、通関後合流。その後、Movenpick Hotelへチェックイン。
夜は在タンザニア日本大使公邸にて夕食会。参加者は中川大使、仲本医務官、横江さん、山﨑先生、竹内護、竹内建司、岡田哲史、貞廣光佐子(8名)


 9月19日(月)

9:00am

10:00am

オペ準備開始

ムヒンビリ大学着。
今回の寄贈品の説明、サニイワ先生の日本研修の内容と山崎先生の臨眼での発表「タンザニアにおける白内障手術教育」の内容、現在のムヒンビリ大学での眼科医療事情を確認する。


12:30pm

オペ室へ移動
船便で郵送した寄贈器械の到着の有無を確認するが、まだ届いておらず。


2:00pm

昼食後に再度ムヒンビリ大学病院へ戻り、山崎先生が日本人駐在員のお子さんの眼科検診を行うが、途中で停電になり検査機器も停止して難航する。20分ほどで停電が解消されたので、再検査。特に異常は認められなかった。
レフケラの使用方法をDr. SanyiwaとDr. Amarに指導するも、途中、再度停電になり時間がかかった。



 9月20日(火)

10:00am

スリットランプ、顕微鏡、眼圧計のメンテナンス。メンテナンス方法を現地の技術者に指導。


11:00am

レフケラ、眼圧計、Specular Microscopeの使用方法と検査結果の診断方法を現地のドクターに指導。


13:30pm

眼科手術室で両竹内さんが器機のメンテナンス作業を開始。
顕微鏡:クリーニング。レンズの曇りを取っただけで見え方が格段に改善された
オートクレーブ:調子が悪いとのことなので、チェックするとトランスフォーマーのソケットが溶けてしまっていたので、他のソケットに交換したところ、きちんと稼働し始めた
Diplomax:吸引圧が低すぎるので上げてほしいとの要望。あまり高くなると前房不安定になる旨説明し、設定値を調整


13:40pm

器機のメンテナンス作業と並行して、山﨑先生が眼科手術室にて、白内障手術練習キット「机太郎」を用いた指導を行った。キットは指導後に山崎先生が寄贈。現地眼科医が先を争ってキットで練習をする。超音波白内障手術に対する意欲の向上とともに、手術中のどのような操作が危険かなどを理解してきており、技術の向上を感じる。
山﨑先生の指導を受けたのはDr. Sanyiwa, Dr. John, Dr. Amarの3名。Dr. Johnはイギリスへ留学してタンザニアに帰国したばかり。イギリスで硝子体手術を学んできたとのことで、将来は硝子体手術の技術を磨くことを希望。Dr. Amarはモーリシャスから来ている留学生。国のプログラムでタンザニアに留学。モーリシャスではヒエラルキーが厳しく、若い術者はなかなかオペをさせてもらえないので、タンザニアで技術を磨きたいとのこと。


15:30pm

船便にて搬送した眼科医療機器がついムヒンビリ大学に到着!
荷物は既にかなり前から港に到着していたが、その荷物を通関して陸に上げ、ムヒンビリ大学まで送ってくるまでには想像以上の時間がかかる。通関作業が日本のようにスムーズには進まない。荷物を運ぶ業者も日本の様には動かない。やっと大学へ届いた荷物だが、運送会社はポーターを連れてきていなかったため、300kgにも及ぶ寄贈器機(白内障手術患者用ベッド、超音波診断装置Aモード、Bモード、超音波白内障手術装置2台、細隙灯顕微鏡など、それぞれ徳島市、藤田眼科、安城市、神原眼科、知立市、酒井眼科などからの寄贈品)の荷降ろしは結局我々自ら行う事になった。大学のスタッフ、先生方も総出で荷降ろし作業。器機が手術室に設置された時は皆で喜びを分かち合った。



 9月21日(水)

8:30am

手術室で手術用ベッドの設置と最終確認。使用方法を現地の術者とナースに教える(Position 1, 2のメモリー登録の仕方等)

今まで使用していた手術用ベッドは他科に昔寄贈されたものをお下がりでもらって使用しており、立てつけもかなり悪くサイズも必要以上に大きくて無駄なスペースを占拠していた。新しく寄贈した椅子型電動手術用ベッドはコンパクトで使用感も良く、大変喜ばれた。椅子型手術用ベッドのメリットは、Working Spaceが確保されたこと、患者さんが寝やすいこと、術者がオペをしやすくなったこと。


9:00am

CV6000の設置。I/Aチップ、スリーブ、U/S Handpieceのチューニングと設置


9:50am

スリットランプ、ABスキャンの組み立てと設置。使用方法をDr. Sanywa, Dr. Mataka, Dr. Vaitha(インド系の若い女性の先生)に説明。 視野計のチェック。



 活動の成果


・ムヒンビリ大学病院での全眼科症例数のうち15%がフェイコでのオペとなった
・以前寄贈したDiplomaxやオートクレイブをきちんと管理して大切に使用してくれていた
・今回寄贈した手術用ベッドとCV6000がオペ室の改善に寄与した
・机太郎での研修によりCCCの技術が改善した
・活動回数が増えて行くにつれ、タンザニアチームと日本チームの信頼関係が確実に築かれていっている



 次回の寄付希望製品


・スリットランプ羽子板ミラー
・机太郎の核
・机太郎の英語版説明書
・机太郎の使用方法解説ビデオ
・オートクレーブ
・カセットオートクレーブ
・スリットランプ
・顕微鏡(Outreach活動用)
・ドクター用の椅子
・患者用手術ベッドをもう1台
・90cm天板



 活動中に得た情報


・1984年より27年間ムヒンビリ大学の眼科で看護師をしているRoger Alloliさんのコメント:ヨーロッパからの支援チームは、1回だけ単発で訪問して手術をして、その後のフォローアップがないので技術を磨くための練習を続けることができないが、日本チームは毎年訪問し、技術を教えてくれて器械も置いて行ってくれるので、練習をすることができるので大変助かっている。また、モニターを設置してくれたお陰で、インターンの先生達もモニターを見ながら勉強をすることができるようになった。日本チームが来てからオペ室の環境がかなり改善され感謝している。

・謎のアキュラスの正体 オペ室に昨年から置いてあるアキュラス。誰も使用していないようだし、だったらなぜここにアキュラスが?と疑問だったので、確認してみたところ、Sight Saverという支援団体からの寄付で購入したものだということが判明。Dr. MafiwiriがCCBRTでアキュラスを使用して、良い器械だった、ということで寄付で購入をしたものの、購入後にカセットが高すぎて継続使用できないことが分かったため、購入後1年くらいは使用していたが、その後使用しなくなってオペ室に放置されている状態であることが分かった。Diplomaxの方がリユースできるし、器具も滅菌して何度も使用可能であることに後々気付いた、とのこと。次回寄付金が下りた際は、一言我々に相談してもらえれば、今の手術室の環境に合った器機がどのようなものであるかのアドバイスをすることができる旨伝えたところ、次回からは是非ともそうしたい、とのコメント。



 器械点検、修理状況


作業は竹内建司さんを中心に、以前寄贈した機器類の点検清掃、追加説明を行いまた、今回寄贈した機器の組み立て、調整、初期設定を行い各機種の取り扱い説明を行った。

●眼科外来
1.ニデック社 オートレフケラトメーター 2台(ARK-900・ARK-700):
【訴え】使用方法が良くわからない為、活用できていない
【処置】レンズ清掃、作動確認後取り扱い説明および測定結果の記録ペーパーの読み方を指導した。

2.ヨーロッパ製自動視野計:
【訴え】使用中にキャリブレーションの指示が出る理由を知りたい
【処置】実際に測定をして現象確認、恐らく被検者の測定エラーによるものと思われたが、明確な対応方法は取説が無いため不明。

3.トプコン社 スペキュラーマイクロスコープ:
【訴え】使用方法が良くわからない為、ナース達検査担当者に教えてほしい
【処置】接眼レンズなど清掃後、使用方法を説明。前回は電源コード紛失し、ビデオプリンターも不調であったが、コード、プリンターも準備していた。

4.ゴールドマン型スリットランプ 2台(ハーグストレイト・イナミ):
【訴え】よく見えない
【処置】光源系、接眼レンズなど清掃、ハーグストレイト社製は羽子板ミラー紛失の為、煽りの状態でのみ観察可能であった。次回、羽子板ミラー持参する必要あり



Copyright 2012 JTEMST. All Right Reserved.