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 医療機器寄贈('08)

 第13回 タンザニア眼科医療支援活動


●活動日程:2017年6月12日~16日
●訪問先: 国立ムヒンビリ大学病院
      (Muhimbili University of Health and Allied Science-MUHAS)
●参加者: 山崎俊(山崎眼科 院長)

      横山光伸(木村眼科内科病院)

      竹内 護(アシコ・ジャパン
           NPO法人タンザニア眼科支援チーム理事)
      竹内建司(テイクオフメディカル
           NPO法人タンザニア眼科支援チーム理事)
      吉田千佳(木村眼科内科病院、看護師)
      横江美貴(在タンザニア日本大使館、看護師)
      阿子島文子(ロート製薬ケニア支部)
      貞廣光佐子(日本アルコン)

●活動内容:

 6月11日(日)

00:01

羽田空港発

14:40

ダルエスサラーム着。横江さんのサポートを得て事前に準備しておいたMUHASからの招聘状とTFDAへ提出したCertificate of Donationを見せ、スムーズに通関完了。昨年同様、MUHASの研修医のDr.Kishanと横江さんが自身の車で空港へ迎えに来てくれた。Dr.Kishanは我々をホテルに下した後、翌日からの活動で使用する寄付製品や機材をMUHASへ運んでおいてくれた。


 6月12日(月)

08:45

MUHASにて山﨑先生、吉田さん、横山先生の順で講義を行った。
山崎先生:How to become a PEA Surgeon
吉田さん(通訳・貞廣):Autoclave
横山先生:Can you see 3-Dimentional Operation?

吉田さんの講義と横山先生の講義の間にDonation Ceremony。

今年も様々な眼科医療機器、医薬品を寄贈し、中でも新品のオートクレーブが目玉。MUHASのドクター方にも喜んでもらい、MUHASのDirectorより感謝の言葉をいただく。今年は在タンザニア日本大使館の吉田大使と奥様も駆けつけてくださった。我々が10年もの間タンザニアの医療に貢献してきたことを是非タンザニア国民にも知ってもらいたいとおっしゃっていただき、現地タンザニアのマスコミに声をかけていただき、TV3社(East Africa TV, Clouds TV, Star TV)、新聞社3社(Daily News, Guardian, Business Times)、ラジオ1社(Radio Free Africa)の取材を受けた。

講義、Donation Ceremony参加者:
Dr. Celina, Dr.Baruwani含むドクター、研修医総勢約20名のMUHASメンバー、吉田大使と奥様、タンザニア眼科支援チームメンバー。


10:30

・オペ準備のためオペ室へ移動(竹内(護)さん、竹内(建司)さん、吉田さん、横江さん)
・外来での術前検査(山崎先生、横山先生、吉田さん、貞廣)


28名の患者さんの検査結果:

◆13日にオペ
1:女性(67歳、右眼)胸膜内固定、網膜異常なし
2:女性(60歳、左眼)普通の白内障
3:男性(74歳、右眼)両眼とも後嚢下白内障、DMか外傷か?
4:男性(75歳、右眼)左眼は黄斑変性。右眼は白内障。左よりも右の視力の方が出ていないので右をオペ。
5:男性(76歳、右眼)右眼、核白内障。眼店異常なし。左眼、角膜白斑で失明。
6:男性(60歳、右眼)右眼、強い後嚢下白内障で外傷の疑いあり、眼底異常なし。左眼、白内障なし。
7:男性(40歳、右眼)右眼、前嚢が石灰化しており強い白内障で外傷の疑いあり。眼底は異常なし。左眼は問題なし。
8:女性(43歳、右眼)左眼は昨年我々が白内障オペをしている。右眼、普通の白内障で眼底も問題なし。
9:男性(12歳、左眼)外傷でaphakia。眼底は問題なし。IOLは強膜内固定で挿入可能だが、視力が出ないかも。
10:女性(65歳、右眼)左眼、既に白内障オペ済みでon the bagにIOLが挿入されている。右眼は白内障。
11:男性(61歳、右眼)右眼、円錐水晶体 lenticonus。右オペでin/on the bag。IOLが入っているが、術中トラブルがあったよう。
12:男性(61歳、左眼)普通の白内障。両眼に白内障があるが左の方が強いので左をオペする。
13:女性(31歳、両眼)1日片眼づつで2日で両眼オペ。
14:男性(74歳、右眼)左右とも白内障の核グレードは同じ。強い角白内障。眼底ぼんやりしている。右をオペ。
15:女性(74歳、左眼)Deep Set Eye。眼底ぼんやりしている。白内障で後嚢混濁が強い。

◆14日にオペ
16:男性(72歳、右眼)左眼、網膜症あるが大きくない。右眼、白内障強いのでオペ。
17:男性(61歳、右眼)視力:HM。左眼、オペ済みで瞳孔異変。AurolabのIOL挿入済み。右眼、白内障強いのでオペ。
18:女性(58歳、右眼)糖尿病。右眼、網膜静脈分枝閉塞のレーザー済み。左眼、白内障が強いのでオペ。
19:女性(77歳、右眼)両眼とも後嚢下白内障。眼底は問題なし。右の白内障が強いので右をオペ。
20:女性(59歳、左眼)両眼ともmature catで眼底が見えない。左の前房が浅い。左オペ。
21:男性(63歳、左眼)左眼は後嚢を囲んだ白内障でオペ。右眼は角膜白斑でオペできない。
22:男性(61歳、右眼)右眼、後嚢を囲んだ白内障でオペ。左眼、軽度の白内障。眼底異常なし。
23:女性(71歳、左眼)右眼、前嚢混濁で眼底が見えない。左眼、後嚢下混濁で眼底ぼんやり。左をオペする。
24:女性(58歳、左眼)左眼、前嚢を囲んだ白内障。眼底は問題なし。
25:男性(39歳、左眼)外傷性白内障。硝子体オペ環境が整っていればオペできるが、ここではできない・・
26:女性(57歳、左眼)普通の白内障。左眼、散瞳不良。
27:男性(63歳、左眼)普通の白内障。左眼オペ→13日。
28:男性(76歳、左眼)右眼、aphakiaなので今回はオペ対象外。左眼、白内障オペ→13日。

13日15症例、14日13症例でオペ予定。


11:15

・誰がオペ対象患者なのかが分からず混乱する。原因はConsent Formにサインをしてから術前検査へ進むという手順になっているにも関わらず、サインをせずに直接検査室へ来てしまう患者がおり、その患者を検査室へ通してしまっているため→患者の取り違えなどの原因になるため、改善が必要。

・1日13症例までとし、途中で患者を止めてもらった。どうしても日本チームにオペをしてもらいたいと訴えて帰らない患者さんもいたがどうしても対応しきれなかった。


 6月13日(火)

8:00

オペ準備開始
以前寄贈したHigh Speed Autoclaveが壊れていたので普通のオートクレーブ2台で急遽対応することになった。ただ、滅菌に30分かかるので1日15症例カバーしきれるか?との不安が走る。

11:00

オペ(計14症例)

・High Speed Autoclaveの故障で全症例をカバーできるか不安だったが、故障していない2台をフルに活用して効率よく滅菌を進めることができ、問題なく対応できた
・器具滅菌をするナース、IOLパワー測定等術前の準備をする研修医の動きが格段に良くなっており、患者入替えのスピードが以前に比べて格段に早くなっている
※1 オペの詳細は別紙参照


 6月14日(水)

08:00

前日にオペをした患者の術後検査(通訳・阿子島さん)、オペ室準備、術前計測の3チームに別れて作業開始。
※2 術後検査の結果は別紙参照


09:20

オペ開始(計12症例)

※2 オペの詳細は別紙参照


13:00

オペ終了

Portable Refkeratometerの使い方を竹内健司さんがSenior Resident達に指導(通訳:横江さん、貞廣)

14:40

外来でDr. Celina、Dr. Suzan, Dr. Baruwaniと打ち合わせ: ・16日にKinyerezi村のDispensary(診療所)で眼科検診、スクリーニングをするので、重症患者がいたらMUHASへ送る旨了解を取る
・High Speed Autoclaveの件。ナースに蒸留水をどこから入手しているのか確認したところMUHASのラボで蒸留しているものだと言う。恐らくこの蒸留水の質が悪いことが原因で、水を中に溜めておくタイプのHigh Speed Autoclaveは壊れてしまった(High Speedタイプではない普通のオートクレーブは問題なく稼働中)。どこかで売っている蒸留水を使えないのか聞いたところ、外で売っているものの中には普通の水道水を入れて蒸留水と称して売っている場合もあるため信用できない、とのこと。Dr. Baruwaniより、もっと質の良い蒸留水を探してそれで再度動かないか試してみて、それでもダメならHigh Speed Autoclaveを日本へ送り返してなおしてもらいたい、とのコメント。
・1名、フェイコを試してみたいというドクターがいたが、今回は難しい症例が多かったので断った旨伝えた。次回は簡単な症例を選んでくれればトレーニングできる。
・オペビデオレコーダーのカメラとコントローラーに不具合あり。DVDレコーダーにオペの様子を録画して後で勉強するか?と聞いたところ、今はやっていないが今後是非やりたい、との回答。次回、DVDレコーダーを持ってくることを約束。
タンザニアのドクターの受け入れができないかを確認してくる
・もしも器機が壊れたら、事前に日本チームに連絡がほしい。事前に言ってもらえれば、修理をするための準備をしてくることができるので。

MUHASのドクターからは「毎年トレーニングやオペのために来てくれ、我々をサポートしてくれて本当にありがたい。今後も是非協力をお願いしたい。」とのコメントがあり、日本メンバー1人1人にTinga Tingaのネームプレートのお土産が手渡された。皆で写真撮影をし、交流を温めた。


16:00

Dr. KishanがMUHAS卒業後に勤務する病院、Shree Hindu Mandal Hospital Eye Centerを見学(Dr. Kishanは現在、MUHASのSenior Residentであと2か月で卒業)。この病院はダルエスサラームのインド人コミュニティにあり、インド人が投資をし合って経営している。Dr. Kishanの父親がSecretary of Generalをしているそう。2年前に眼科を作ったばかりで、現在はDr. CelinaとDr. Suzanが定期的に診察に行っている。オペ室を稼働させるため器械を買いそろえている(Phacoもいずれは行う予定でPhaco器機(Laureate)も購入済み)。




18:00

在タンザニア日本大使公邸にて会食。




 6月17日(土)

08:00

Kinyerezi診療所(Zahanati Ya Kinyerezi)到着。検査の準備開始。この診療所では通常、内科、婦人科のFirst Aidのみ対応。急患には対応できない。救急車がないので、急患が出た場合、患者の輸送に時間がかかるのが問題。現在はMUHAS等規模の大きな病院から救急車を出してもらって迎えに来てもらう、もしくは普通の車で輸送している。この日も蛇にかまれて歩けなくなってしまっている患者が来た。


08:15

眼科検診(計45人) ・2週間前に横江さんが視力、血圧、血糖値等を測り事前に問診をしておいてくれていた患者が54人。その内、当日現れた患者は35人で、事前問診はしていないが、噂を聞きつけて飛び込みでやってきた患者が10人で計45人の患者の健診をした ・深刻な疾患の患者は思ったより少なかったが、数名重症患者がおり、視力に影響が出るレベルの翼状編、ぶどう膜炎、緑内障らしき患者がいた。緑内障の患者はCCBRT(Private Hospital)に行ったが治らなかったと言っていた。
・老視が多い
・近視、ドライアイも意外と多い(昨今、誰でも携帯を持っており、携帯多用で近視化が進んでいるのかも?)
・眼鏡が買えないので老視、近視の矯正ができない(月給が約2~3万円なのに眼鏡が一番安いものでも5000円)
・眼鏡がもらえる、という噂が立ち、予定外の患者がたくさん訪れた
・横江さんの娘さんのめぐちゃん(16歳)とルナちゃん(13歳)がスワヒリ語/日本語の通訳として大活躍!
・Dr. Sanywaがわざわざ挨拶に来て下さった(オペ日はインド出張中でお会いできていなかった)
・老眼鏡、近視矯正用の眼鏡、サングラスが足りない。日本で集められないか検討する




 今回の活動のハイライト


1:横山先生による26例の難症例手術
日本チームへの信頼感が高まったせいか年々難しい症例が増えてきている。今回、何よりも嬉しかったのが、術後検診の際に患者さんたちが見せてくれた笑顔。12歳の男の子の母親は何度も「ありがとう、ありがとう」と言ってくれた。「見えるよ!!」と手を叩いて喜んでくれたおじいさん。涙を流して喜ぶ患者さんもいて、タンザニアの患者さん達の視力回復に貢献できたことを実感した。

2:眼科健診の実現
横江さんのだんなさんのグレイソンさんが村長を務めるKynierezi村で初めて眼科健診を行った。MUHASの外に出て活動したのは今回が初めてで、より患者さんの生活に近いところでの活動は大きな学びとなった。日本では眼鏡をかけることで解消される近視や老視が眼鏡が手に入らないこの村では視覚障害となってしまう。

3:テレビ、新聞などのマスコミによる報道
吉田大使のお力添え現地マスコミの取材を受け、タンザニアで我々の活動を知ってもらうことができた。「昨日テレビで見たよ!」と声をかけてくれた現地の方もいた。

過去10年での変化
タンザニアで白内障のオペを開始してから今年で10年が経過した。この10年で少しづつではあるが確実に変化してきたことは以下の通り:
・症例数が増えた。初期の頃は1日5例程であったが、今年は1日14例。Residentやナースの意識も高くなり、動きが効率的になり、患者入れ替えのスピードが格段にアップした。施設環境も整ってきた(初期の頃はオペ室の天井から水漏れがあり、オペを中断して工事を始めたこともあった・・)。
・MUHASのドクター、スタッフ達との信頼関係が構築された。日本チームが来たら難しい症例を託したい、と言ってくれるようになった。
・清潔観念が改善された。初期の頃はトイレのスリッパとオペ室のスリッパを兼用していたこともあったが、今では、オペ室に個人の荷物を持ちこむ際はビニール袋に入れるよう指示されるまでになった。
・整理整頓が徹底されるようになった。シリンジや針などの器具も取り間違いがないよう、分かりやすく仕分けされ棚に保管されるようになった。


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