●活動日程:2010年9月18日~9月24日
●訪問先: ムヒンビリ大学病院
(Muhimbili University of Health and Allied Science-MUHAS)
●参加者: 山崎俊(山崎眼科院長)
堀尾直市先生(朝日大学村上記念病院)
竹内護(アシコ・ジャパン)
竹内建司(テイクオフメディカル)
横江美貴(在タンザニア日本大使館、看護師)
久米田伸之(日本アルコン)
貞廣光佐子(日本アルコン)
中山由紀子(元日本アルコン)
●活動内容:
9月20日(月) |
9:15am |
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山﨑先生、堀尾先生による眼科講義 山﨑先生によるCCCの作成方法。シストトームと鑷子の違いを説明。CCCの作成方法をビデオで説明
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10:30am |
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堀尾先生、山﨑先生組は術前検査へ。翌日のオペ対象患者のスクリーニングを行う。7名のうち糖尿病を併発していて核が硬すぎる患者と白内障のオペをしても改善が見られそうにない患者の2名以外の5名をオペ対象患者として選定した。堀尾先生がオペの順番を決定。5名中2名の外傷性白内障の患者にはIOLを入れられない可能性があることを事前に伝えておくようにMUHASのドクターへ指示した。日本人の大使館派遣職員の眼底検査もついでに行うものの異常なし。
両竹内さん組はエンジニアのJamesと器械の点検へ
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9月21日(火) |
9:00am
10:20am |
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オペ準備開始
5例とも堀尾先生が施術 うち1例はサニイワ先生がフェイコにトライ |
9月22日(水) |
9:00am |
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堀尾先生、久米田さんは術後検診 残りのメンバーは机太郎と器械のセットアップ
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9:30am |
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堀尾先生と山﨑先生がMUHASのドクターへ机太郎を使って指導。MUHASのドクター達の机太郎への興味は非常に高く、みな競合って練習をしていた。使って指導。MUHASのドクター達の机太郎への興味は非常に高く、みな競合って練習をしていた。
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10:30am |
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フェイコオペ 3例とも堀尾先生が施術 うち1例はDr. Sanywaもフェイコにトライ
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pm |
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今回寄贈したNidek CV6000ののセットアップ。 両竹内さんがJames他エンジニアに使用説明する。
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9月23日(木) |
9:00am |
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術前、術後検診
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10:30am |
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フェイコオペ 3例とも堀尾先生が施術 うち1例はDr. Sanywaもフェイコにトライ
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2:00pm |
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MUHASの先生方と次回の活動へ向けて打合せを行う
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MUHAS側のドクター1人1人からのコメント |
我々の活動に対してとても感謝していること、寄贈した器械をちゃんと使用していること、副学長も常に気にかけてくれていること、日本の先生方の指導がとても役に立つことなどを述べた。Dr.Baruaniからは滞在期間が短すぎるから、次回は是非2週間来てほしい、というコメントも出た。
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堀尾先生からのコメント |
MUHAS側が歓迎してくれてありがたい、オンサイトトレーニングができてよかった、患者さんも喜んでいたようで嬉しい、先生方の士気も非常に高かったのでもっと色々と教えたい、新しいウェットラボ用机太郎もきっと役に立つはず、今回持参したドライラボの机太郎で練習をしっかりした上で患者さんにオペをしてほしい、など。
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MUHAS側からの次回寄贈品リクエスト |
・ ポータブルX-Y付顕微鏡(もしくは持ち運び可能な小さめの顕微鏡)を1~2台。7日~10日程村に滞在して100人くらいの患者のオペをする。その際に持参する顕微鏡がよく見えなくなっているため、どうしても新しい物が必要。
・ 白内障手術用器具セットを1~2セット
・ 以前寄贈してもらったスリットランプが動かない。後で確認したところ、どうしても使えないものなので破棄してもらいたいと既に伝えていたことが判明。いくつかのパーツは他の器械に使用。残りはJamesにあげた。
・ オペ用のベッド(輸送費が相当かかるのが難点。次回コンテナで送るか?)
・ 椅子
・ SONYのプロジェクター(型番:VPL-CX1)のランプの見積書を日本から横江さん経由でMUHASへ送ってあげる
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フェローシップについて |
・日本で臨床で患者に触ることができれば、MUHAS側で資金を集められる可能性がある、とのことだったが、臨床でオペは難しいと伝えた。(ただ、念のためライセンスがあれば日本でオペができるのかを確認してみる)
・日本での研修は1カ月を考えていて、渡航費のみ自己負担してもらえれば、日本滞在費は日本側が面倒をみると伝えた。すると、Dr. Sanywaがものすごく乗り気になり、「そういうことであれば私が行きます!」と言っていた。研修の時期は日本の都合に合わせる、とのこと(ただ、4月はEasterのためタンザニア側の都合が悪い)。日本チームのタンザニア滞在終了後、我々が帰国する際にMUHASのドクターに一緒に日本へ来てもらうか、MUHASのドクターが日本で過ごした後、日本チームのタンザニア行きに合わせてタンザニアへ帰国してもらう、と言う形が理想的。エンジニアの留学に関しては、Dr. Sanywa曰く、もしかしたらMUHASから資金を捻出してもらえるかもしれない、とのこと。
・来年の活動は5月のゴールデンウィークになるかもしれない旨、伝えた。
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器械の状況(堀尾先生の打合せ中、両竹内さんは器械点検へ)
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・診察室のスリットランプのライトが暗い(とりあえず、応急処置を施す)
・アルゴンレーザーが動かない、とのことだったが、修理する時間なし
・他のボランティア団体が寄付した製品の動作確認を行う。使用する可能性の低い器械と伝えた。
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器械点検、修理状況 |
1.TOPCON スペキュラーマイクロスコープ:
光学系のクリーニングにより、点検結果良好ながら電源ケーブル紛失の為、送付持参予定ビデオプリンター:点検するも機器不調、次回持参できる物を探す。
2.TOPCON ノンコンタクトトノメーター:
自動測定ができない。手動でもエラーが出るものの、光学系及び内部カメラセンサー清掃により回復
3.イナミ スリットランプ:
光源系点検清掃、スリット上下ハンドル内部ねじ山が飛んでいる為、部品交換が必要。
一時的な補修を試みたが、部品交換の必要あり。以前持参したNidekスリットランプは部品調達が無理である為、再使用を諦めるようお願いした。次回、訪問時 代替機としてスリットを持参できるようにする。
4.Nidek レンズメーター LM820A:
点検、清掃 レンズ台ユニット紛失の為使用不可、次回レンズ台ユニット持参。
5.Sonomed社 A-スキャン Pacscan 300A:
点検したが我々が贈った機材でない為、部品調達不能
6.VIT マシン:
VIT専用マシンは在るものの、ディスポーザブルカッターが無い為使用不能状態
持参したカッターを接続し、使用は可能。圧搾空気用コネクター、変換コネクターが必要。
日本国内で入手し、送付予定。
7.Diplomax:点検後、依頼のあった設定条件の書き換えを行った。
8.ツアイス手術用顕微鏡:
術中使用し易いようにバランスの再調整とフリクション調整の説明を行った。
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